クラージュシチー(リボンシチーの12) デビュー戦


友駿ホースクラブ出資愛馬第44号は、売れ残っていたことから2歳夏の入厩ギリギリまで様子見をしていた馬。

私は父でこの世代が初年度産駒となるハービンジャーの仔出しが正直心配だった。ラムタラのように必ずしも父の競走成績と日本の高速馬場が合うかはわからない。しかし、産駒は想像以上に走り、購入段階で2歳リーディング9位と好調。これならと思い購入。

母は自身はサンデーサイレンス産駒ながら未勝利に終わったが私個人はこの時期低迷の一途を辿っていた厩舎に問題があると思っていた。初年度産駒のアスコットシチーは募集段階で私が良いと言った馬だが現在5勝を挙げオープン入り。母の仔出しは非常に良いと言える。

何よりもこの馬は、馬体の良さに惹かれる。元々ハービンジャー産駒は馬体の良い馬が多いが、本馬も総じて質は高い。

厩舎も活力溢れる新鋭・高橋義忠厩舎で期待は大きい。

そして牡馬ながら募集総額1400万円と安価なのも有り難い。故障やメンタル面に問題がなければ、まずこの投資が損をすることはないだろう。

2歳の夏まで残口表示も出ずに売れ残っていたことからずっと様子見。近況でも時々素質の高さが出てくるし、馬格もあるしで入厩直前に購入。目標はいつもの2、3勝。


クラージュシチーを徹底分析。

また、購入に至った経緯を掲載。

8月14日に栗東トレセンに入厩しました。

8月21日にJRA競走馬登録されました。

8月22日にゲート試験に合格しました。


9月20日 新潟6R 2歳新馬 芝1600m 混合に出走!!

フルゲート18頭のところに想定数は23頭。抽選対象だったが抽選を突破。1頭投票後取り消して17頭で確定。

鞍上は柴田善臣騎手を確保。


追い切りの動きはCWで全体の8番時計を計時するほどの素晴らしい動き。全体の時計が速いのに、終いも12.2秒としっかりと伸びて私にしてはエスポワールシチー以来の新馬戦追い切り評価「A+」の最高評価。

2着/3番人気。

勝ち馬とは僅かにクビ差。しかも脚色はこちらが勝っていた。

上がり3ハロンの32秒2という時計は今夏新馬ナンバーワンの切れ味。過去に2歳時に32秒5を出した馬は3頭。その内の2頭はハープスターやアルフレードといった後のGT馬。これを上回る鬼脚。

やはりこれはかなりの大物かも知れぬ。調教の素晴らしい内容がレースに出てくれて嬉しい。


レース回顧と時計の分析、レース後の柴田善臣騎手と高橋義忠調教師のコメントを掲載。

(2014年9月25日完結)

2014年9月17日立ち上げ

●クラージュシチーを購入

 2012年産はキャロットクラブで牝馬ばかり4頭を購入。友駿ホースクラブは退会も視野に入れており、馬を買うつもりはありませんでした。

 しかし、2歳8月までに次々と早期デビューをしてくれる2012年産の2歳愛馬ですが、デビュー戦は6、9、10着と散々な成績。最も期待の高かったベルディーヴァは調教中に骨折し全治12か月でクラシックは絶望的となりました。

 そんな中、ずっーーーと馬体が良いしお買い得だと思っていたクラージュシチーの兄アスコットシチーが5歳で本格化をし、ポンポンと勝ち上がりついに5勝を挙げてオープン入り。本馬もその兄の活躍から、そろそろ売り切れるだろうなと思い、ついに購入を決めました。

 購入を決めた理由は他にもあります。当サイトの常連様方が多く購入されていること。そうなるといずれ競馬場でお会いできる機会も多くなるでしょうし楽しみです。また、それらの目利きの皆様の評価が高いこと。そして私が懸念していた父ハービンジャー産駒が2歳新馬戦で活躍していることなども購入に踏み切った主な原因です。

 また、友駿ホースクラブを辞められない理由として愛馬で種牡馬入りをしたエスポワールシチーの産駒が欲しいことが挙げられます。私が所属するもう1つのクラブ・キャロットクラブではエスポワールシチーの産駒が募集される可能性は極めて低く、ここは友駿ホースクラブにとどまるしかありません。そして2歳8月の段階でも友駿ホースクラブは10回分割払いができます。最悪、このクラージュシチーがさっぱりならば、分割途中での退会もできないことはありません。

 様々な状況を鑑み購入する結論に至りました。私としては同世代で5頭もの馬を購入するのは邪道です。下手な鉄砲数撃ちゃ当たるわけでもありません。更にこのホームページの更新も時間がかかってしまいます。

 しかし、それでも欲しかった。それほど良い馬だと思います。今月で分割の2回目の支払いです(笑)。


 そんなこんなでクラージュシチーを購入!!ご一緒の保護者の皆様、よろしくお願いいたします。

●クラージュシチーのほっさん評価

 では、クラージュシチーの詳しい分析です。

 父   ハービンジャー アーニングIDX 1.00 評価 B−
 母   リボンシチー 未勝利            評価 E
 母父 サンデーサイレンス              評価 S
 兄弟  アスコットシチー(募集段階では2勝)   評価 C
 生産牧場 幌村牧場                 評価 E
 調教師 高橋義忠                   評価 D

 馬体                           評価 A−
 募集総額 1400万円 牡馬
 
 総合評価 1.83 評価 D


 父はハービンジャー。この世代が初年度産駒につきアーニングIDXは1.00の平均値を仮代入。

 ハービンジャー (Harbinger) はイギリスで生産、調教された競走馬で現在は種牡馬。GTの勝利はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスのみだが、このレースを大差勝ちしたことで、歴史的名馬の一頭に数えられている。

 2007年のタタソールズ・オクトーバーイヤリング(1歳馬)セールで18万ギニーで購入される。デビューは3歳になった2009年4月16日。2戦目の未勝利戦で勝ち上がり、次走のゴードンステークスで重賞初制覇。しかし、続くグレートヴォルティジュールステークスは大差の最下位、セントサイモンステークスは勝ち馬から6馬身以上離された3着と不甲斐ないレースが続いた。

 約半年の休養を経て、4歳になった2010年はジョンポーターステークスから始動。このレースを3馬身差、オーモンドステークスを1馬身1/2差、ハードウィックステークスを3馬身1/2差と、いずれも完勝で重賞3連勝。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(以下“キングジョージ”)の行方を占う有力レースであるハードウィックステークスを快勝したことで、次走の本番である“キングジョージ”では2番人気に推される。なお、主戦騎手のライアン・ムーアが、同じマイケル・スタウト厩舎所属で英ダービーを圧勝した、断然の1番人気のワークフォースに騎乗することから、オリビエ・ペリエを鞍上に迎えている。

 並走するワークフォースと愛ダービー馬のケープブランコの背後をマークする形の4番手でレースを進め、直線に入ると残り2ハロンで前の3頭の先頭争いを外から並ぶ間もなくかわし、あとは突き放す一方で2着のケープブランコに11馬身差の圧勝で、重賞4連勝をGT初挑戦初制覇で飾った。この着差はジェネラスの7馬身差を上回る“キングジョージ”史上最大着差、勝ち時計の2分26秒788もコースレコードであった。このパフォーマンスに対し、タイムフォーム誌はスポークスマンが「この評価が妥当かは今後の走りを見てから」と付け加えながらも、前年のシーザスターズのアイリッシュチャンピオンステークスに与えられた、21世紀に入って最高の140ポイントを上回る、歴代4位タイの142ポイントの暫定レーティングを与えている。その後、8月1日の正式なレーティングで140ポイントを与えられた。一方、IFHA(国際競馬統括機関連盟)は2010年2月1日から2010年7月28日までのワールド・サラブレッド・ランキングにおいて、現在の方式での評価方法になった2004年度以降、前年のシーザスターズの136ポイントに次ぐ歴代2位の135ポイントのレーティングを与えている。

 その後はインターナショナルステークスに向けて調整されていたが、8月7日の調教で左前脚の管骨を骨折。すぐさまニューマーケットの病院で患部をボルトで固定する手術が執られた。手術は成功したものの、馬主サイドの協議の結果、8月9日に引退が発表された。その後、日本の社台グループへ売却され、社台スタリオンステーションで種牡馬入りすることになった。売却額は明らかにされていないが、数百万ドルとされている。引退時の評価では、2歳時に出走できなかったこと、2400メートル以上の距離でしか実績がないことが生産界にとってネックとなっており、それがこの規模の売却額に落ち着いた一因と見られる。11月4日に社台スタリオンステーションに到着。馬房はディープインパクトの隣であるという。初年度の種付け料は400万円となった。

 無限の可能性を感じさせる競走成績に加え、日本で主流血統になっているヘイルトゥリーズンの血を含まない血統構成もあり、供給初年度から、馬産地での人気は爆発的なものとなっている。配合される繁殖牝馬の質も極めて高く、近い将来のサイアーランキングトップ10入りは、ほぼ約束されているといっても過言ではないだろう。クラシックレースを含む、芝中長距離戦線のビッグレースがターゲットとなってくるが、この分野で圧倒的強さを見せるディープインパクト産駒にどう対抗していくのか、非常に興味が深いところだ。



 母のリボンシチー(2001年生まれ・父サンデーサンレンス)は、サンデーサイレンス産駒で期待されるも未勝利に終わってしまった馬。この成績について私は個人的にこの頃低迷の一途を辿っていた厩舎に問題があったのではないかと考える。
 本馬はその母の11歳の時の産駒。



 母父のサンデーサイレンスは米国産。1989年米年度代表馬、米9勝。ケンタッキーダービーGT。本邦チャンピオンサイアー。本邦BMSチャンピオン。2002年死亡。
 1989年米年度代表馬の金看板を背負って、現役引退直後に16億円のトレードマネーで日本に種牡馬として導入された。13年連続リーデイングサイアーに輝き、「日本競馬史上最強サイアー」と称された。BMSに入っても抜群の能力は不変で、瞬発力と勝負強さに優れた優秀な孫たちを多数輩出している。
 2008年はBMSとしてスクリーンヒーロー(ジャパンカップGT)、ヴァーミリアン(フェブラリーS GT)、トールポピー(オークス GT)、サクセスブロッケン(ジャパンダートダービー GT)といったGT勝ち馬を含め、20頭もの重賞勝ち馬の母父となり、2009年はサクセスブロッケン(フェブラリーS、東京大賞典 GT)、ヴァーミリアン(JBCクラシック、帝王賞 GT)、ローズキングダム(朝日FS GT)という3頭のGT馬を含む14頭の重賞勝ち馬の母父となる盤石の強さ。2011年はグランプリボス(NHKマイルC)、アヴェンチュラ(秋華賞)、アルフレード(朝日杯FS)がGT勝ち。2013年もペルシャザール(ジャパンカップダート GT)やロゴタイプ(皐月賞 GT)などがGTを勝ち、2位に3倍以上の賞金差をつけ、7年連続リーディングBMSに輝いた。これからもこの記録は続くだろう。文句なしに日本におけるナンバーワンBMSである。



 兄第は2009年産のアスコットシチー(父ケイムホーム)のみだが、そのアスコットシチーは勝ち上がりこそ交流戦だったが、ダートの短距離でその後4勝。計5勝を挙げ、オープン入り初戦でも2着とまだまだ勝てそうな勢いである。私は募集時、厩舎が作田誠二厩舎じゃなければ買っていたと書いた。予想以上の走りで、やはり母父サンデーサンレンスの底力を見た。母は未勝利馬だが、この仔出しなら本馬もある程度は走ってくれるだろう。



 生産牧場は幌村牧場で、2億円を稼いで現役のグランドシチー、5000万円を稼いだゲルマンシチーがツートップの牧場。兄のアスコットシチーは幾千世牧場生産。シチーご用達の牧場だが、勝率、連対率なども低く、全国レベルではかなり低い評価。



 預託厩舎は高橋義忠厩舎です。高橋義忠(たかはし よしただ)は1969年5月3日生まれの45歳。日本中央競馬会(JRA)の栗東トレーニングセンターに所属する4年目の調教師である。

 2014年9月17日現在、JRA通算58勝、勝率8.9パーセント、連対率16.2パーセント。重賞は2014年のクリノスターオー(平安S)の1勝。4年目の厩舎としては非常に優秀な成績。

 昨年(2013年)は18勝、勝率10.8パーセント、連対率22.3パーセントと開業以来最高の成績。今年(2014年)は更に現在18勝、勝率10.7パーセント、連対率16.6パーセントと去年の勝ち数を更新することは確実。

 騎乗依頼は藤岡兄弟が多く、勝負騎手は岩田康誠、浜中俊、戸崎圭太、各騎手辺り。その他北村宏司騎手やエスポジート騎手、菱田裕二騎手などリーディング上位の騎手を乗せてくれる。


 丁寧な造りの厩舎ホームページなどあらゆる面において創意工夫を心がけておられ、非常に活力と能力を感じる調教師。預託されている馬の数や質は決して超一流の厩舎のそれよりも見劣るが、成績は素晴らしい。これは厩舎の内面の良さを物語っている。いろんな意味で今風の非常に期待の大きな厩舎。いずれブレークするだろう。高橋義忠厩舎のホームページを見ればよりファンになるはず。



 馬体は、素晴らしい。私がこの馬にもっとも魅力を感じる点はその素晴らしい馬体。薄い皮膚にボリュームのある胸前。全体の筋量も素晴らしく、菅の枯れ具合も良く、丈夫で走りそうな印象。トモのボリュームも素晴らしい。ハービンジャー産駒は元々馬体を良く見せる産駒が多いが、この馬も例に漏れず良く見える。私の思う走りそうな馬。ただ後ろ脚の繋ぎの短さや背中の感じは減点。



 総合評価1.83と低い方ですが、募集時は兄アスコットシチーが2勝馬でしたが、現在は5勝馬ですので、重要なファクターである兄弟の評価が格段に上がりますから、実際はもっと高い数字であると考えて良いでしょう。父ハービンジャーもこの世代が初供給ですので仮代入の平均値”1.00”を入れていますが、現在の産駒の活躍からはそれ以上になることが確実でこの数字ももっと高く評価して良いでしょう。

 とにかく、5勝馬のアスコットシチーを輩出した母の仔出しの能力に大きく期待しています。人気種牡馬のハービンジャーにこの母をつけて牡馬でこの金額というのはもう考えづらいでしょう。非常にリーズナブルな価格だと思います。思惑通り2、3勝してくれれば万歳です。


 期待してるゾ、クラージュシチー!!

●競走馬名はクラージュシチー

 今回クラージュシチーはずっと様子見していましたので、購入した時にはすでにクラージュシチーという名前が決まっていました。クラージュシチーと言う名前はフランス語で”勇気”と言う意味のようで、友駿ホースクラブはフランス語で希望という意味のエスポワールシチーが好走したことからもそういう名付けが多くなっているのでしょうね。

●8月14日に栗東トレセンに入厩しました

 8月13日に更新されました厩舎公式HPクラージュシチーのリポートによりますと、グリーンウッドで調整されていたクラージュシチーは8月14日に栗東トレセンに入厩するということです。その後、予定通りに入厩しました。

●8月22日にゲート試験に合格しました

 8月22日に難波剛健騎手騎乗でゲート試験に1発合格をしました。時計は平凡ですが、1度で受かって、ゲートの心配がそうないというのは有り難いですね。

●8月21日にJRA競走馬登録されました

 8月25日にJRA−HPで発表された2014年8月21日競走馬登録分79頭の中にクラージュシチーの名前があり、JRA競走馬登録が完了しました。

 これで無事競走馬登録されましたから、詳細な追い切り情報や入厩放牧情報を知ることが出来ますし楽しみですね。

 おそらく近況からはそのままデビューに向かって乗り込んで貰えるようですし、近々のデビュー戦が楽しみですね。

●デビュー戦は9月14日 阪神5Rを予定でしたが、20日になりました。

 8月13日に更新されました厩舎公式HPクラージュシチーのリポートによりますと、クラージュシチーのデビュー戦は9月14日 阪神5R 2歳新馬 芝1600m 混合を予定ということでした。

 しかし、その後もう少し追い切り本数が欲しいということで1週延ばされました。成績の挙げられない厩舎の中には、最低限使える状態になれば中途半端な仕上がりでもすぐに出走させてしまい、結果を残せないところが少なくないですが、今回のように馬の状態に合わせて番組を臨機応変に考えていただけるのは有り難いですね。

●追い切り情報(9月17日作成)

8月22日 栗東E 良馬場 ゲートなり
ゲート
難波剛健
14.4


8月27日 栗東坂路 重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 56.9
3F 42.2
2F 27.4
1F 13.9


8月31日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 56.8
3F 41.4
2F 26.5
1F 13.0
メイショウサリマン(古馬1000万下)馬なりを0.5秒先行0.1秒先着


9月3日 栗東坂路 良馬場 叩き一杯
1回
助手
4F 55.2
3F 39.6
2F 25.4
1F 12.8
メイショウサリマン(古馬1000万下)一杯を0.4秒先行同入


9月7日 栗東坂路 重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 58.4
3F 41.8
2F 27.1
1F 13.6


9月10日 栗東CW 良馬場 追って一杯

花田大昴
6F 81.3
5F 65.2
4F 50.8
3F 37.7
1F 12.2[5]
メイショウサリマン(古馬1000万下)一杯の内を0.3秒先行5F付0.5秒先着


9月14日 栗東CW 良馬場 馬なり余力

助手
6F 84.5
5F 68.1
4F 53.6
3F 40.2
1F 12.8[7]
タイセイファルコン(2歳新馬)一杯の内を0.7秒追走3F併せ同入


9月17日 栗東CW 良馬場 末一杯追う

難波剛健
6F 85.0
5F 69.4
4F 54.8
3F 41.3
1F 12.9[6]
パストラーレ(2歳未勝利)一杯の外0.6秒先着
 8月22日、ゲート試験に合格した時のものです。たいした時計ではありませんが、1度で合格できたということは嬉しいですね。

 8月27日、実質1本目の追い切り時計が出ました。ハロン14秒程度ですが、これが強く追ってどこまで時計が詰まるかですね。楽しみです。

 8月31日、古馬に胸を借りて追い切られました。全体的にたいした動きではないですが、最後に先着できたのは良かったと思います。

 9月3日、先週と同じ相手に初めて目一杯に叩いて追い切られました。確実に時計を詰めているのは良いことですが、まだ全体的にもっさりとした動きで、もう少し本数を乗って時計を詰める必要がありますね。

 9月7日、14−14程度で追い切られました。少しずつ動きに軽さが見られて来ましたね。

 9月10日、体重の軽いジョッキー騎乗とはいえ、この日のCWコースの8番時計でしかも終い12.2秒と最後まで脚色は衰えず非常に優秀です。併せた古馬1000万クラスの馬を千切っています。やはりこれは相当な能力があると思います。メンタル面で問題がなければ、2、3勝は堅いでしょう。いやはや、近況や馬体をギリギリまで観察して買った甲斐がありました。
 ただ、愛馬フランベルジェのように、デビュー前の追い切りは秀逸でも、”走るのをやめちゃう症候群”で力を出し切らない馬も過去には何頭も見ていますから、実際にレースで走るまでは楽観視はできません。ただ、素質があることは間違いないでしょう。
 競馬ブックでも”追って伸び上々”と高い評価をいただいております。

 9月14日、同じ2歳新馬相手に0.7秒も後ろから追走して同入しています。相手は一杯に追っていますが、こちらは馬なりです。今回の併せた馬の能力はわかりませんが、これが平均レベルの馬だったとするならば、新馬戦は圧勝しそうですね(笑)。

 9月17日、先週ビッシリやっていることと、新潟までの輸送があることから終いを伸ばす程度の追い切りをかけられています。相手を千切ってしまったこともありますが(併せたパストラーレは既走馬ながらデビュー戦はとんでも時計の9着でタイムオーバー)、本音を言えば終い1ハロンは12秒台前半の時計が欲しかったですね。ただ、10日にあれだけ全体の時計が速いのに、終い12.2秒で上がっていますし心配はしていません。あくまでもサッとながす程度だったということでしょう。
 私ほっさんの追い切り評価は「A+」です。乗り込み量、そしてなんと言っても10日の動き、全て文句なしです。私が新馬戦でA+をつけるのはエスポワールシチー以来ではないでしょうか。そのくらい、10日の動きはテンよし中よし終いよしの絶品の動きでした。また、全体にハードな調教も好感が持てます。これは馬格があるからこそできる業です。現時点で相手はわかりませんが、かなりの確率で勝ち負けでしょう。
 競馬ブックでも”時計以上の動き”と高い評価をいただいております。

●気になる出馬想定表(9月20日 新潟6R)

出馬想定表 9月20日 新潟6R 2歳新馬 芝1600m 混合 フルゲート18頭 想定数23頭
馬名 予定騎手 前走 過去着順 追い切り
アキノヘッドギア 村田一誠
アポロマギーア 勝浦正樹
イマジンシチー エスポジート
ヴァンドデセール 松岡正海
カッテカテグリーン 田辺裕信
カンタベリーバロン
キスダスターズ 戸崎圭太
クラージュシチー 柴田善臣
コスモニンブル 柴田大知
スウォードワン
ストレートプレイ 蛯名正義
タイセイレグルス 川須栄彦
テイエムレジェンド 江田照男
ディマンズ 田中勝春
トーセンアイランド 菅原隆一
ネオルミエール 北村宏司
ハイドンセット 石川裕紀人
ファストクリス 津村明秀
フジハイドランジア 丹内祐次
ブラインドタッチ 吉田豊
マイティディーバ 長岡禎仁
ユノ 柴山雄一
ラブリーメイク 三浦皇成

フルゲート18頭のところに現在23頭出馬想定されています。クラージュシチーは除外権がありませんし抽選対象です。

これ以降は2014年9月18日に作成

●出馬確定表

出馬確定表 9月20日 新潟6R 2歳新馬 芝1600m 混合 全18頭
馬名 騎手 前走 過去着順 追い切り
アポロマギーア 勝浦正樹
イマジンシチー エスポジート
ヴァンドデセール 松岡正海
カッテカテグリーン 田辺裕信
キスザスターズ 戸崎圭太
クラージュシチー 柴田善臣 A+
コスモニンブル 柴田大知
スウォードワン 石橋脩
ストレートプレイ 蛯名正義
テイエムレジェンド 江田照男
ネオルミエール 北村宏司
ハイドンセット 石川裕紀人
ファストクリス 津村明秀
フジハイドランジア 丹内祐次
ブラインドタッチ 吉田豊
マイティディーバ 長岡禎仁
ユノ 柴山雄一
ラブリーメイク 三浦皇成

表中 騎手の太字は乗り替わり

●新潟芝1600mコース解説

 スタート地点は向正面直線の真ん中よりやや右。3コーナーまでの直線は約550m。最後の直線は659m。
 新潟芝1400mの内回りとはちょうど逆で、前半はペースが緩むのが最大の特徴。クラスが上がってもイーブンあるいは、後半の3ハロンの時計の方が速くなりやすい。
 仕掛けのタイミングは、最後の直線に入ってでも十分に間に合うが、道中の位置取りや脚質は意外と重要。できるだけ前の位置でレースを進められる馬の方がいい。
 新潟芝1400mで先行して負けた馬を狙い、逆に芝1600mで末脚不発に終わった馬を芝1400mで狙う、という馬券作戦は覚えておきたい。
 全体的に極端に速い走破時計、上がりが要求されるが、メジロライアン、フサイチコンコルドといったノーザンダンサー系の種牡馬が活躍するのも特徴。
 サンデーサイレンス産駒は勝ち鞍こそ多いが、重賞クラスでは割引が必要。ヘイロー系ならばフジキセキ産駒がいい。
有利な枠順 フラット
有利な脚質 先行、差し
ポイント 脚質、血統
種牡馬ベスト サンデーサイレンス、メジロライアン、フサイチコンコルド
連対騎手ベスト 柴田善臣、吉田豊、後藤浩輝、北村宏司、蛯名正義
推定勝ちタイム 良馬場 稍重馬場 重馬場 不良馬場
2歳新馬 1分36秒9 1分39秒0
2歳未勝利 1分36秒2 1分36秒1 1分37秒3
2歳オープン 1分34秒7 1分35秒4 1分35秒0
3歳未出走 1分36秒0
3歳未勝利 1分35秒3 1分35秒9
古馬500万 1分34秒4 1分35秒0 1分34秒7
古馬1000万 1分33秒6 1分34秒0
古馬1600万 1分33秒6
古馬オープン 1分32秒1

●騎手は柴田善臣騎手 ほっさん評価「S」

 早くから”リーディング上位の騎手”を予定とされていたクラージュシチーの鞍上ですが、柴田善臣騎手でした。柴田善臣騎手と言えばデビュー30年目の大ベテラン。そして一時ほどではないものの今でも多くの勝ち星を挙げられている名ジョッキーです。私の評価も最高の「S」ランクと文句ない騎手です。

 特に東京と新潟と言った左回りの関東のコースに良績が集中しており、新潟では本年新潟2歳Sを制したりと抜群に信頼の持てる騎手です。良い騎手を確保してくれました。

 私ほっさん愛馬と柴田善臣騎手は過去にシャンスイに騎乗していただいた1回のみのお付き合いとなっています。それが2008年のことですから、実に6年ぶりに愛馬に乗っていただけることになりました。そのシャンスイのレースは15着といいところがなかったですが、その後シャンスイが1つも勝てなかったように、馬に力がなかっただけで、柴田善臣騎手の騎乗がどうのこうのとは思っていません。今回は上位人気になるであろう馬ですし、結果を期待したいですね。


 2014年9月19日現在、中央通算2138勝、勝率11.6パーセント、連対率22.8パーセント、重賞は90勝でGTは1993年の天皇賞秋(ヤマニンゼファー)など9勝。

 昨年(2013年)は中央44勝、勝率6.8パーセントと生涯成績を大きく下回り寂しい数字。本年(2014年)はここまで34勝。勝率8.6パーセント、連対率17.5パーセントと昨年よりも成績は上回っている。



 柴田 善臣(しばた よしとみ)は1966年7月30日生まれの48歳。日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニングセンター所属する30年目の騎手である。騎手免許は平地競走のみ。デビュー時は中野隆良厩舎所属。現在はフリー。

 息子は新人当時は伊藤圭三厩舎に所属し、現在は高橋祥泰厩舎の厩務員である柴田健登。調教師の柴田政見、柴田政人、元騎手の柴田利秋は叔父(善臣の父が長兄)にあたり、元プロ野球選手(埼玉西武ライオンズ)の柴田博之は従兄弟(利秋の息子)にあたる。

 1982年に競馬学校の第一期生として入学。1985年に騎手免許を取得し、美浦の中野隆良厩舎所属でデビュー。初騎乗は同年3月9日の中山競馬第6競走のイズミサンエイで5着、初勝利は同年4月7日の中山競馬第3競走のイズミサンエイであった。同年は12勝を挙げ、民放競馬記者クラブ賞(新人騎手賞)を受賞している。1988年の中山牝馬ステークスで、主戦の柏崎正次騎手が斤量50kgでの騎乗ができない為、代打でソウシンホウジュに騎乗し、重賞初勝利を挙げた。

 1993年、安田記念でヤマニンゼファーに騎乗し、GT初勝利を挙げた。この時期の前後から安定して勝利を重ね、関東の有力騎手として台頭。2001年1月21日には中山第5競走の新馬戦においてティエッチコマンドに騎乗して1着となり、JRA通算1000勝を達成し、ワールドスーパージョッキーズシリーズも2度制覇(1999年、2003年)している。そして、掲示板(5着以内)へ頻繁に入着する堅実な騎乗で3年連続JRAの関東リーディングジョッキー(2002年−2004年)に輝いている。また、夏の新潟・福島開催で好成績を残しており、なかでも2002年から2004年にかけて3年連続で新潟リーディングジョッキーに輝いている。

 一方で、中央GTを8勝していながら、クラシックのGTは未勝利である。また、8勝のうち6勝が東京と中京の左回りの競馬場で、右回りの競馬場では長らく中央GT勝利がなかったが、2010年の宝塚記念をナカヤマフェスタで制し、右回りの競馬場での中央GT初勝利となった。JRA主要競馬場の1つの京都競馬場の重賞は長く未勝利であったが、2007年にマイネルスケルツィで京都金杯を勝ったことにより、重賞を勝っていない競馬場は函館と小倉となった。

 2001年から2005年の間は中央GTを勝つことができず、また見せ場も少なかった。しかし2006年の高松宮記念で6年振りの中央GT制覇を果たしたのを皮切りに、桜花賞、ヴィクトリアマイル、優駿牝馬といった牝馬GTの舞台で、人気薄の馬を好走させている。そして、続く東京優駿でも、初騎乗のアドマイヤメインで2着に入った。惜しくもダービージョッキーとなることは出来なかったが、例年のイメージと異なるその姿は、周囲を驚かせるに十分であった。

 また2010年は、前述のように宝塚記念で4年ぶりのGT勝利の後、ラジオNIKKEI賞をアロマカフェで、七夕賞を11番人気のドモナラズで勝ち、3週連続重賞勝ちを記録した。その後、2011年12月17日には、中山第11競走のディセンバーステークスにおいてナカヤマナイトに騎乗して1着となり、JRA通算2000勝を達成した。2012年11月11日にはエリザベス女王杯をレインボーダリアで制覇し、自身初となる牝馬GT及び京都競馬場でのGT競走優勝を果たした。

 デビュー後、3年間は平地のほか、障害競走にも騎乗していたことがあり、40戦2勝の成績を挙げている。デビューした1985年12月21日の中山大障害(秋)にスガノキングで障害重賞初騎乗を果たしている(結果は8頭中7着)。得意ではなかったと回顧しており、自分に向いていないと感じたことや騎乗予定だった馬の事故などがあり、障害免許の更新をしなかった。だが、障害競走に騎乗したことで勉強できたこともあったと語っている。

 重賞4勝馬ワシントンカラーを始め、管理馬の数多くを柴田に騎乗依頼している調教師の松山康久は、柴田を「騎乗馬の状態判断が的確であり、義理堅く、丁寧なやりとりをしてくれている」と語っているように関係者からの評判も良い。

 高橋祥泰厩舎に実習に来た競馬学校2年時の田中博康(現騎手)に、調教の仕方を教えたということもあった。柴田は「常に馬と会話をしながら乗りなさい」と教え、田中はその柴田を「本当に丁寧な調教をされる」と敬意をもって評している。また田中は「先輩騎手から技術を盗めるとしたら、どの騎手のどの部分が欲しい?」といった質問を受けた際も、「善臣さんのレースに行っての折り合いのつけ方」と回答している。

 かねてより腰の不安が指摘されていたが、2009年1月4日の中山競馬で9年7か月ぶりの騎乗停止処分を受けたため、それを機会に休養し腰椎ヘルニアの手術を受けた。その後約1か月のリハビリに専念し、2月21日の東京競馬にて復帰、22日にはフェブラリーステークスでナンヨーヒルトップに騎乗した。

 2005年3月、岡部幸雄の引退に伴い、かつては叔父の柴田政人も務めていた日本騎手クラブの会長に就任。2010年4月12日に東西役員総会の役員改選で後任の会長に武豊が選出され、同年9月15日付で会長を退任して相談役に就いた。
 ほっさん愛馬での成績 (1戦0勝)

 2008年 6月14日 シャンスイ     3歳500万下 東京ダ1400m 15着/7番人気

これ以降は2014年9月19日に作成

●専門誌の印と評価

競馬ブック

見解

「再調整も、春先の入厩時とは見違える気配にあるネオルミエール。仕上がりも良く中心。身のこなしが機敏なキスザスターズ、芝向きの切れ味を秘めるユノとの争い。」


短評は「伏兵多し」



予想家の印
馬名 吉田幹 林茂徳 吉岡哲 CPU
ヴァンドデセール
ユノ △△
スウォードワン △△
テイエムレジェンド △△
イマジンシチー
キスザスターズ
ストレートプレイ
ネオルミエール
カッテカテグリーン
クラージュシチー
二重△は△△で処理
あとは無印



予想オッズ
馬名 予想オッズ
ネオルミエール 3.0
キスザスターズ 3.6
クラージュシチー 7.0
ヴァンドデセール 10.1
ストレートプレイ 12.5
ユノ 13.0
カッテカテグリーン 15.3
テイエムレジェンド 18.7
ラブリーメイク 20.7
以下27倍以上省略


デイリー馬三郎

本紙の見解

「追うごとに頭角を現してきた◎キスザスターズ。とりわけ直前の素軽い反応で伸びた内容が濃く、態勢面は良好。初戦から首位争いを期待。坂路主体だが、バネを感じさせる動きが目を引く○ネオルミエールも資質は見劣らない。〈石堂〉」

◎ キスザスターズ
○ ネオルミエール
▲ クラージュシチー
× テイエムレジェンド
☆ カッテカテグリーン

以下省略


クラージュシチーは全13記者中 ◎(本命)印 1記者、〇(対抗) 1記者、▲(3番手評価) 6記者、×(4番手評価) 2記者、☆(5番手評価) 1記者、△(6番手以下評価) 1記者、無印 1記者

●各陣営のコメント

クラージュシチー

 「一本調子な面はあるが、全体の時計は良かったし、水準以上。力は出せる。」(高橋義忠調教師・デイリー馬三郎)

 「まだ一本調子で、気持ちが先走っている感じ。当日に落ち着いていればいいが。」(高橋義忠調教師・競馬ブック)

 「稽古は順調にこなしております。格上馬との併せ稽古でも先着するなど、動きはまずますです。まだ良化の余地を残していますが、高い能力を持っているので期待しています」(高橋義忠調教師・友駿ホースクラブ公式HP)

●ほっさん予想

 荒削りなクラージュシチー。我が高額牡馬軍団と同様、調教では走るのに子どもっぽいところを見せています。ちなみにローザグランデとジェットブラックは本番ではパドックで馬っけを見せていました。馬っけを出していたら皆さん、覚悟してください。

 逆にエスポみたいに気性的な煩さだけなら勝つでしょう。1年前にクラリティシチーが新潟でオリハルコン、ガリバルディ等、走る前までは評判の高かった連中(我がジェットブラックもこのランキングではひけを取りませんぞ。ぐふっ)を負かして新馬勝ちをしたように、クラージュもヒロシの馬を負かして優勝してくれるでしょう。・・・ん?ヒロシと善臣相談役のコンビと言えば、本年皐月賞。共倒れだったような気が・・・汗。

 クラージュは子ども子どもしている部分が不安ですが、それでいて調教であれだけ動けるのですから、やはりまともなら滅法強そうです。問題は能力を出し切る走りができるかどうか。こればかりは走って見ないとわかりません。

これ以降は2014年9月25日に作成

●パドック

 クラージュシチーの馬体重は480キロ。やや太めの余裕残しに感じました。馬体はやはり素晴らしく、筋量豊富で走りそうな馬体でした。気配は映像で見える範囲ではしっかりとした歩様で気合いも乗っており良い感じに見えました。

●レース 

 クラージュシチーは抜群のスタートでハナにでも立てるほどと思いましたが、”一番外の枠でしたので、ゲートを出て物見。前へ進まず、内へ切れ込んで、ジョッキーも乗りづらそうでした。”(高橋義忠厩舎HPより)とあるようにスタート後にどんどん後ろに下がりななんと14番手になってしまいます。もしかして追走に一杯の超駄馬なのかと思ってしまうほどでした。

 道中はしっかりと折り合い脚を溜めます。新馬戦ですし、いくら直線の長い新潟とは言え、やはり前が有利ですから、大敗も覚悟しましたが、3〜4コーナーで徐々にポジションを押し上げ、直線は大外に持ち出します。追われるごとにしっかりと脚を伸ばし上がり32秒2の鬼脚で早めに抜け出していた1番人気のネオルミエールを追い詰めますが、あと僅かなところで逃げ切られてしまい2着。3着以降は5馬身引きちぎる素晴らしい内容でした。

●時計の評価

 今回のクラージュシチーの走破時計は1分38秒8良馬場でした。競馬ブック誌の推定タイムは良馬場で1分36秒5、勝ったネオルミエールの時計はクラージュシチーと同タイムですから、全体的に時計が遅く、メンバー的には水準以下のレースだったと思われます。

 しかし、内容は素晴らしく、特にエンジンがかかってからの脚は見所満載で、これからも大きな武器になるでしょう。調教の良さがレースに直結してくれて嬉しいです。調教では走っても本番になると走らない馬もたくさんいますからねぇ。

●レース後の騎手・調教師のコメント

クラージュシチー(2着)

 「大外枠で物見をして後方からのレースになったが、一気に行ってしまいそうな感じもあったからちょうど良かったかもしれない。まだレースを分かっていないが、それでも終いは差を詰めているように能力はある。これから競馬を覚えてくれば。」(柴田善臣騎手・競馬ブック)

 「物見をしてスタートは悪かったが、グンと行ってしまいそうな感じがあったので、きょうはゆっくり出るくらいで良かった。まだ何が何だか分からない感じで走っていたが、最後はいい伸び。能力はある」(柴田善臣騎手・デイリー馬三郎)

 「スタートしてから物見をして、前に進んで行きませんでした。しかし、ガーッと行ってしまうところがある馬なので、逆にじっくりと行けてよかったかもしれません。まだまだこれからの馬ですが、能力はあると思います」 (柴田善臣騎手・ラジオNIKKEI)

 「大外枠で物見をしてしまい後方からのレースになってしまいました。一気にいってしまいそうな感じがあったので逆に良かったのかもしれません。まだレースを分かっていないところがありますが、終いは差を詰めているので能力はあるようです」(柴田善臣騎手・友駿ホースクラブ公式HP)

 「スタートして物見をしたようですが、上手くなだめ後方から流れに乗り、直線はあわや差し切るかと思うようなレースでした。育成時から素質のあるところを見せ、トレセンでも古馬相手に引けを取らない根性を見せていました。まだ粗削りでただがむしゃらに走っているようなので、今後競馬を覚えてくればさらに上積みがあると思います。しかし、競馬で上がり32秒前半の時計を出しているので、しっかりとケアして次走に備えたいと思います。翌日は飼い葉を食べ、脚元もすっきりしていたので今のところ心配なさそうです。次走については京都の1週目の1800m戦を検討しています」(高橋義忠調教師・友駿ホースクラブ公式HP)

●専門誌のレース評価

クラージュシチー(2着)

 「体に余裕。モッサリ。後方から、直線は大外へ。上がり32秒2はナヴィオンを上回る今夏の新馬No.1。3着には5馬身差。次走は確勝級。」(競馬ブック)

 「20日の新潟6R(2歳新馬)で2着に入ったクラージュシチー(栗東・高橋義忠厩舎、牡)は、上がり3ハロンのラップが32秒2と発表された。レースは極端なスローペースになり、好位からレースを進めたネオルミエールがV。クラージュシチーはただ1頭、大外から鋭く追い上げたものの、クビ差およばず2着に敗れた。
 レース後にJRAが発表した上がり3ハロンのラップは32秒2(勝ったネオルミエールは32秒8)。これは、2歳馬がマークした上がり3ハロンとしては最速タイだが、過去の1回は2011年7月23日に新潟・芝1000メートル(直線競馬)でダンスインザマミーがマークしたものだった。コーナーのある1200メートル以上に限れば2歳馬の上がり3ハロンの過去最速は32秒5。クラージュシチーはこれを0秒3も上回る究極の上がりを駆使したことになる。ちなみに32秒5をマークした馬は3頭いて、そのうち2頭はハープスター(新潟2歳S)とアルフレード(きんもくせい特別)。いずれものちにGIホースだけに、クラージュシチーの今後が注目される。」(サンケイスポーツ)

●気になる賞金は

 2着賞金が280万円。内国産馬奨励賞が48万円。特別出走手当が39.9万円。合計367.9万円。1口で割りますと4500円程度になると思われます。私は今月で馬代金の分割2回目(全10回)ですから、その2回分に近い金額で嬉しいですね。

●今後の展望

 次走は京都の1週目のようですが、今回とは違う右回りの京都でも良い走りを見せることができれば間違いなく本物でしょう。まだ凄い脚を使った反動が気になりますし、走破時計は平均的なものよりも遅く、将来的に見て全体的に低調なメンバーだったとなるかも知れません。

 それでも競馬ブックのスピード指数は71.7。これは未勝利脱出水準の70を上回っていることはもちろん、優勝したバウンスシャッセの新馬戦(70)をも上回る数字です。バウンスシャッセが後に重賞を勝ってオークス3着に入るわけですから、やはりクラージュシチーもそのクラスなのかと期待してしまいます。

 ただ、私が生で見た新馬戦で素晴らしい豪脚だったセゾンシチーは勝ち上がれずに未勝利で引退しましたし、1走だけでは評価し辛いものがあります。それでも後ろを5馬身離していますし、弱い馬ではないことは確かです。

●最後に

 私は正直勝つと思っていました。それが証拠に自信の”特A”を打っていました。結果的に前半物見などしてもたつき、新馬戦なのに後ろになりすぎて人気馬に残されました(コラッ、ヒロシッ!!)が、レースが終わっても、私の中ではもっとも今回のレースで強かったのはクラージュシチーと思っています。

 上がりの32.2秒は昨年のハープスターがこのコースで32秒台を記録したときもアルフレードの話が出ていて、後のGT馬の軌跡だと紹介されていました。今回も同じ記事が出ているわけですが、この切れ脚は大きな武器です。

 私はなぜ、今回特Aにするほど自信があったのかというと、馬体の素晴らしさと事前の追い切りの秀逸さです。特に10日の追い切りは非凡なものでした。全体の時計が水木全体の8番時計。もちろん、古馬のオープン馬や数多の格上馬が真剣に追っている中のモノです。全体がこの時計でも終いが13秒台ならなんの評価もしませんが、この時の上がりが12.2秒と最後まで余力のある素晴らしい伸びです。これだけでも評価は相当なのに、これでいて遊び遊び走っているとのこと。遊び癖がレースで出ると大敗も考えられますが、そこは大ベテランで新潟芝1600mのレコードホルダーの柴田善臣騎手ですからなんとかなると思えるものです。

 そんなこんなで自信がありました。

 ずっーーーーと近況を見て機会を窺っていたもので、実は6月末のちんどん様でのオフ会でもクラージュシチーを狙っていると公言していました。私はこの馬とキャロのマンハッタンの12はずっと近況観察をしていました。

 結局牡馬なのに募集総額1400万円と安価な金額にも惹かれ、また近況では牧場から何度もいいものを持っていると滅多にここまでこんなコメントを載せない友駿ホースクラブが繰り返すくらいですし、育成は至って順調、気性面で激しすぎたり、ノドなり等もなさそうでしたし、馬格も480キロ程度とあり、1歳での募集段階よりも確実に成長が窺えたということで購入しました。

 そして厩舎も気にしてみていましたが、新鋭の割に成績も良く勝ち数も多く、預託されている馬の質を思えば素晴らしい成績です。いかに高橋義忠先生の技術と、厩舎が雰囲気よくやっているかというところでしょう。

 そんなこんなで、満を持して売り切れる前に購入した馬が予想通り走ってくれるのはなんとも気持ちがいいものです。

 キャロ第一次募集直前にクラージュを購入した理由は他にももちろんあります。牡馬のジェットブラックがほぼ未勝利で引退するであろうこと。2歳馬でもっとも期待していたベルディーヴァの骨折、そしてアモーレエテルノの下手な下ろし方とどうも今2歳世代が4頭もいるのに苦労をしそうだというのもありました。そのテコ入れも兼ねています。


 更に友駿ホースクラブはもう出資せずに退こうと思っていたのに新しい馬を購入に踏み切られせたのはスパイダーさんのこの馬に対する熱意がハンパなかったことも1つです。私も基本自分の馬見を優先し、クラージュシチーは素晴らしい馬だという認識がありました(随分と昔から言っていましたよね)が、熟練のスパイダーさんの見解と一致したことも背中を大きく押された理由の1つです。

 毎度書きますが、多くの方がいいと思える馬の中には良い馬が多いものです。馬体とハービンジャーについてあれだけ熱弁され、また私も同意見でしたから、これでこけたら昔の馬券のようにスパイダーさんと心中でいいと思っていました。

 一時は1口馬主の引退まで考えられていたスパイダーさんをこの世界に引きずり戻したほどの馬。それがクラージュシチーですし、私もそこも一緒です。

 もちろん、今ではハービンジャーを私も高く評価していますし、本年キャロ第一次募集での最優先枠のルミナスグルーヴの13もハービンジャーです。もう来年からはディープ&ステゴくらい高騰する?でしょうから、今の内に買おうというのはそういうことです。一応、これでも大きな目で見て馬を選んでいるつもりです。

 今回ラッキーだったことは、友駿ホースクラブのこの世代の募集馬で、一番値段的に価値が高いと思われたクラージュシチーが最後まで売り切れてなかったことです。私の中では次点は佐々木晶三先生のところの馬だと思っていましたが、そちらはどうもダートっぽいし順調さを欠いています。しかもクラージュの方が値段も安い。友駿ホースクラブは1200万円のエスポワールシチーや1400万円のステップシチーなど値付けが適当なので良い馬が安いんですよね。

 クラージュシチーがどこまで出世するかわかりませんが、楽しみですね。ただ、これだけの上がりを出せる馬はやはり脚元の負荷がハンパないですし故障が心配です。一応繋ぎは高すぎず、適度にクッションされていて着地等の衝撃を和らげてくれていると思っているのですが・・・。

 とにかく無事に進んで欲しいです。暮れの朝日杯は今年から関西だし、ウヒヒ。


 クラージュシチーはこの板のたくさんの方がお持ちですし、それでいて無料提供馬ではないから熱いですよね。エスポみたいにこの馬の元、みんなで集結したいですね。また、当板の古豪でいらっしゃる文庫さんや雲雀さんと言った長いお付き合いの方とご一緒というのも嬉しいですね。そもそも私と雲雀さんがご一緒で関西馬なら鉄板ですが(笑)。芝バージョンのエスポになって欲しいですね。


 頑張れ、クラージュシチー!!大きな夢を見させてくれぃ!!

最後までご愛読ありがとうございました

2014年9月17日立ち上げ 18日、19日、25日加筆

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